真実を疑う人たちがたくさんいて,全資料の公開は35年も先。だが,世界中のゲームプレイヤーによって,ひとりの無実は証明されるのかもしれない。
quote:プレイヤーに1963年のジョン・F・ケネディ暗殺を再現させるゲーム,JFK:リローデッドは,大統領の兄弟である上院議員のエドワード・ケネディ氏によって「卑劣な」ゲームと評された。このゲームは,ケネディ大統領暗殺の犯人,リー・ハービー・オズワルド氏となって現実と同じように3回銃を撃つ。発売元は現実と同じように銃を撃てた人に,計10万ドルの賞金を用意している。
ケネディ暗殺をオズワルド氏の単独犯行だとした,いわゆるウォーレン報告書の内容を信じている米国人は,1割もいないという世論調査があったと云われる。オズワルド氏のいた場所からはケネディ大統領を後ろから撃つことになり,撃たれて後ろに倒れるわけがない。また,間に木があって直接狙撃することは難しい。報告書では銃弾は大統領の頭蓋骨に命中したとあるが,骨に当たれば多少は変形するはずの弾丸が,まるでいま買ってきたような弾丸だったとも云う。オズワルド氏は2日後に銃撃されて死に,3年後にはオズワルド氏を撃った人物も死に,暗殺事件のあと4年ほどの間に主要な関係者が次々と死んでいるのも疑問視される原因となっている。
記事によるとこのゲームの発売元は,「このゲームをたくさんの人が挑戦し,誰かがオズワルド氏と同じことをできるなら,彼の単独犯行だということを確信できる。疑っている人に反論もできるだろう。だが,プレイヤーはオズワルド氏と同じように3発の銃弾を撃つのは難しいことを知ると思う」と述べていると云う。なるほど。確かに殺人事件をただリプレイして楽しむだけのゲームなら卑劣で不謹慎だと云われても仕方ないが(多くの日本人はそう考えるかもしれない),疑惑の殺人の証明,そのためのゲームと考えると興味深い存在だ。米国政府は,2039年にこの暗殺事件のすべての資料を公開すると決めている。が,もしかしたらこのゲームであっさりと,オズワルド氏の単独犯行は否定されるのかもしれない。
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